コーヒーは主要な国際商品の一つであり、アラビカコーヒーのオプション取引と先物取引は、 ニューヨークのインターコンチネンタルエクスチェンジでおこなわれ、ロブスタコーヒーの先物 取引はロンドン国際金融先物取引所でおこなわれる。また、その他にシンガポール、ブラジル、 東京等でもコーヒーの先物取引が行われているが、アラビカコーヒーとロブスタコーヒーの先物 価格を決定するのはニューヨークとロンドンである。 コーヒー価格は1日の中でも大きく変動するため、コーヒー先物取引は投機筋の人気を呼んで いる。コーヒー先物取引は非常に複雑だが、基本的にトレーダーはコーヒー“C”コントラクト と呼ばれる取引所の定める規定に沿って競り合う。大手コーヒー輸入業者等は大量のコーヒーを 自社の倉庫で貯蔵し、その時の価格と顧客ニーズに応じて適宜販売していく。しかし、これら業 者は大量のコーヒー在庫を抱えた際は価格下落のリスクを負い、在庫希薄の際は価格上昇のリス クを負う。よって、コーヒーの先物取引において、大手輸入業者等は約定を現時点で結び、将来 の一定日時にあらかじめ決められた価格で売買することで、リスクヘッジをおこなう。砂糖や綿 といったその他の国際商品と違い、コーヒーの生産及び輸出は手厚い補助や貿易規制がないため 投機的な影響を直接的に受けやすく、コーヒー価格の安定は常に議論の的となっている

参照:高収益農業研究 アフリカのコーヒー産業と日本の貿易・援助 −タンザニアとエチオピアのコーヒー産業及び輸出促進に対する支援策等− (プロマーコンサルティング)